「写真、ありがとう」
「届いた?」
「うん、ありがとう」

ありがちな会話ですが、私は涙が出そうでした。

母の日に贈った花の写真が父から届きました。

写真は沢山ありますが両親の愛がこもったこの写真は私のコレクションの1つとなるでしょう。

現在81歳の父は昨年80歳を区切りとして仕事を辞め毎日庭いじりと神仏への祈り、そして時々母の家事の手伝いをしています。多分。(^^)

80歳まで働いていたわけなので、基本元気ですが、身体のあちこちに不調を抱えています。

今月は目の手術を受け一週間ほど入院していました。

はじめは「半月の入院と言われた」と言っていましたから随分と早い退院だったのですが、普通にピントが合って見えるようになるには早くて半年、一年以上かかるかもと言われているそうです。

折しも母の日を挟んでの入院生活。
父は目が不自由になるのだから母が毎日お世話に行くだろうと、母の日にプレゼントをする事にしました。

いつもはあげたい時にプレゼントすればいいと母の日に拘っていなかったのですが、年寄り家族、一人暮しは寂しいだろうなと思って。

私の友人、フラワーアーティストの古田千鶴さんが素敵な母の日のアレンジメントをご案内されていました。古田さんは植物を愛しその命を最大限に活かすアレンジメントを作っていらっしゃいます。両親にも活き活きとしていて欲しいから、古田さんのお花を贈りたいなと思って申し込み要領をよくよく見たら、九州は対象エリアになっていませんでした。母の日は荷物が集中するから、生き物であるお花をその日のうちに贈れなかった事を考えてのご判断のようです。その意図するところはよく分かるけど、古田さんに頼みたーい❗️とお願いしてみたら、色々調べて対応して頂けることになりました。

さて、母の日当日。帰宅した母はプレゼントを貰って喜んでいました。こんな素敵な花を貰えるとは思っていなかったとの事。心が安らいだ様子で控えめな表現からも母の喜びようが伝わって来ました。

私は私で、その素敵な花を見たいがその為に飛行機に乗ると言う訳にもいかず、「写真を撮っておいてね。帰省した時に見るから。」とお願いしました。

メールを送るのもハードルを感じる母に電話で写メを送ってとお願いするという発想はありませんでした。

父の退院予定日、帰宅したら電話しようと思ってスマホを見た私は驚きました。父からメールが来ているではありませんか。「今日、私が退院しました。」とまるで英文和訳のようなメッセージと写真。
それは帰宅して撮った母の日のプレゼントのアレンジメント。

父から写メが届いたのは初めてでした。
目が不自由ながらも写真を取り、車に乗れないので、ショッピングモールまで歩いて行き、auの店員さんに写真の送り方を教えてもらいながら送ったそうです。

父にお礼の電話をしても、ただ「届いたね」としか言いません。送るまで大変だったろうと思いますが、何も言いません。綺麗な花が届いたから写真を撮ったとだけ。

大変ではなかったのかもしれませんね。娘の望みを叶えてあげようと思う両親の姿と会話が聞こえてくるようです。

ありがとう。

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